改定指令


11月10日、ホール中尉は、口頭で新任の有光次郎教科書局長に、現行の教科書使用を停止するよう指令し、さらに、修身、日本史、地理の全教科書を一行一行細かに検査することを命令した。

2週間後、ホールは、文部省にこれら三科目の教科書の英訳を提出するよう命じた。

ホールは、海後宗臣(東大教授、教育勅語の研究で有名)といった教育学関係の教授や、私立大学の教授陣と頻繁に会談した。

ホールが「怪しい」と睨んだ教授たちについて、それらの教授の講義用ノートさえ没収した。


有害な教科書


12月初め、日本の教科書に関するCIE内部報告書が完成した。12月13日、ダイクCIE局長は、マッカーサーに「日本教科書」勧告を提出する。

⑴ 「修身、日本史、地理の教科書は文部省によって作成されました。詳細に検閲した結果、非常に有害であることが判明しましたので、直ちに使用停止されるべきであります。全国で使用されている教科書173冊のうち有害なものは、50冊を数えました。......文部省とCIEは、1946年4月1日に始まる新学期のため、過渡的な教科書を準備中であります」

⑵ 「CIEは、危険な教科書について文部省が出した省令なども検査いたしました。これらも直ちに使用禁止されねばならないものと判定しました」


検閲の徹底


⑶ 「GHQは、文部省に指令を出し、これらの教科書を全国から集め、再生紙用にして、その取り扱いについての報告をGHQに提出させるべきです。全国的な教科書回収措置は学校だけに限られず、個人の住宅と私的な場にも適用されるべきです。〝魔女狩り〟と批判されるかもしれませんが、それでも実行されるべきであります」


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⑷ 「1946年4月1日以降使用される改定教科書について、文部省は著者の名前と主題、内容をつけた詳細の計画書を英文でGHQに提出せよ、と命じられるべきです」

⑸ 「新しい教科書が用意される間、文部省に、停止された科目に代わるべき学習計画をGHQに提出させるべきです」

⑹ 「大学のカリキュラムについては、全国的な性格のものはない故、特定の教科書を禁止することでは問題の解決にはなりません。有害な教育は、別の名目で続けられるかもしれません。したがって、教師の資格審査(1945年10月30日指令)は、大学ではより一層厳格に実施されるべきだと考えます」