詰問



ニュージェント「執筆者たち全員が天皇制の維持を望んでいるのはなぜか」

関口「彼等が全員天皇制を支持したというのは偶然です」

ニュージェント「出版用に最終的な論文を選んだのは誰か。どういう根拠からか」

関口「パンフレットには、左翼の見解を代表したものは含まれていません。論文は政治的判断力を養うために選ばれたのです」

ニュージェント「論文全てを注意深く検討したのか」

関口「いいえ」

ニュージェント「全てのパンフレットの完全な英訳が必要だ。我々の承認を得るまでには、いかなるパンフレットの印刷も配布もしてはならない」

関口「ご要望の通りに致します。できるだけ完全な英訳を致します」


悪足掻き


この直後、寺中はニュージェント部長に、パンフレットの問題のある頁だけを除外して配布することを許して欲しいと嘆願したが、即座に拒否された。

同日の午後、寺中はニュージェント部長に再び会いに来て、文部省が教育部に計画を提出していなかったことについて謝罪した。

彼と関口は既に提出していたといっていたのだが......。

マッカーサーは、これを日本側の意図的な命令違反と考え、1946年1月17日、あらゆる教科書と教材を英語に訳し、GHQに提出するよう日本政府に厳命した。

このマッカーサー命令の2日後、文部省は、教科書印刷会社に在庫の教科書を紙パルプ工場へ積み出すよう口頭で指令した。1月23日、文部省は再び、文書でこれを繰り返し、1月30日には、電報でこの命令を伝えた。


フォロー・ザ・マネー


教科書印刷会社は、未使用教科書による金銭的損失は各会社で負担しなければならないと通達された。

文部省が掻き集めた教科書を製紙工場に無料で与えたので、絶望的な紙不足の最中に、製紙工場は巨大な利益を得た。

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CIEはこれに反対し、利益の一部は教科書出版社ではなくて、教科書を集めた学校に返せと命令した。

ニュージェント局長は、山崎文部次官に、「出版社が教科書の値段を釣り上げて請求しており、さらに、必要以上の紙を要求し、余った紙をヤミ市で売っている」からだと言った。

このリベートは相当な額で、1500万円にもなった。

CIEは、注意深く文部省の計上予算を調べ、例えば、会計費として計上されていた50万円にも文句をつけた。文部省はその50万円の一部を返還し、それをリベートに上乗せすることに同意させられた。