神話の埋葬


そうした神話を「歴史的事実」として出版したのが文部省であり、それらを教師と生徒に覚えさせたのも文部省であったことには触れていない。

「それを疑う」生徒は、「安寧と秩序にとり危険」として、直ちに罰せられたのに。ダイク局長は、「神話を神話として教えることには何等問題はない」と言明していたのに。

日本人の科学性が欠けていた証拠として、文部省は、日本語の書き言葉が「不合理な重荷」となって、「ますます国民の科学的精神」を押さえつけていると断言した。

ここでも、狂信的な「ローマ字屋」ホール中尉の圧力があったのであろう。



独り善がりな日本人


 ⑸「日本国民はひとりよがりで、おおらかな態度が少ない」

「封建的な心持ちをすてきれぬ人は、自分より上の人に対しては、無批判的に盲従しながら、下の者に対しては、ひとりよがりの、いばった態度でのぞむのが常である」。

日本は「他の国民を自分に従わせようとした」のであって、それが「戦争の原因であり敗戦の原因でもあった」。


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民族の威信


日本のキリスト教弾圧と日本国民の民族的優越感が、日本人の独り善がりの例であった。

「天皇を現人神として他の国々の元首よりもすぐれたものと信じ、日本民族は神の生んだ特別な民族と考え、日本の国土は神の生んだものであるから、決して滅びないと、ほこったのがこの国民的優越感である」。

しかし、文部省は「およそ民族として自信を抱き、国民として祖国を愛するのは、自然の人情であって、少しもとがむべきことではない」と教師たちを少し安心させた。