責任からの逃走


朝鮮戦争の「特需」に酔った日本国民が、祖国の防衛を他国の軍隊に任せた国民が身に付けたものは、責任回避の悪癖である。

日本は、日本国民が護らなければならないという責任の回避。日本の男が、日本の女性・子供を護る本能と責任からの逃避。

その義務の回避。その誇りの皆無。



狂宴の末


完璧な敗戦、そして敵軍による占領という二重の屈辱に耐えていた日本国民を、突然救った「朝鮮特需」という狂宴は、恥辱を忘れさせてくれる薬であったのだろう。

その甘い香りを持つ薬を無我夢中に追いかけ、日本国民は「昭和」を駆け抜けた。過去を忘れ、歴史を捨てて、世界第二位の経済大国の日本がやっと辿り着いたところは、「富」だけしか目立つものを持たない文化不毛の小さな島ではなかったのか。



マッカーサーの北朝鮮狩り


1950年6月25日、北朝鮮軍は38度線を破り、猛攻撃を開始した。韓国軍は瞬く間に惨敗した。3日後、首都ソウルは北朝鮮に占領された。

救援に駆けつけたアメリカ軍も完敗し、半島の南半分が「北」の領土になるのは時間の問題に見えた。


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破壊されたソウル市内の様子


ニューヨークにある国連は、「北朝鮮が侵略国」と決議した。国連軍が武力介入することになった。

国連軍とはアメリカ軍であり、東京で君臨していたマッカーサー元帥が総指揮者に任命されたのは、ごく自然であった。