非難声明


共産党は、1950年6月3日、マッカーサーに、アメリカ兵との喧嘩で刑を受けた党員の即時釈放を要求し、逮捕と判決を非難する公開声明文を送りつけた。

日本共産党に挑戦されて黙っているマッカーサーではない。彼は、日本の警察当局にその公開文の全てのコピーを押収させ、さらに関係文書の捜索を命じた。

彼は、日本共産党が「事件」を引き起こすのを待ち構えていたかのように、6月6日、吉田首相に日本共産党中央委員24人を追放(レッドパージ)せよ、と命じた。



「赤狩り」指令発動


マッカーサーの怒りは一目瞭然である。

「日本共産党は真理を曲げ、大衆暴力を扇動することによってこの平和で平穏な国家を、無秩序と闘争の渦中に陥れようと企んでいる。さらに、日本国民の中に急速に芽生えつつある民主主義的傾向を覆そうともしている。彼等の闘争というのは、民主主義の道に沿って進む日本の評価すべき発展を阻止しようとするものである」

「共産主義者の強制的な手段は、日本国民を欺いた過去の軍国主義指導者たちのやり口と驚くほど似通っている。もし、彼等の目論見が達成されたら、日本は、間違いなく奈落の底へ落ちてゆくであろう」

吉田首相は、午前9時30分、このマッカーサーの「赤狩り」命令を直接手渡された。



ヒトラー元帥降臨


同日、午後7時30分、マッカーサーと吉田を敵に回した日本共産党は、「全愛国者に訴う」との声明文を出した。

戦闘態勢の台詞である。

「世界の歴史は、ヒトラー、東條のように、共産党を粉砕しようとするものは、逆に粉砕されて、墓場に追いやられることを教えている」

「全国の愛国者諸君! わが国民は、いまや、奴隷と肉弾にされようとしている。この運命を望まないものは、われわれとともに決起して、自由・平和・独立のために、敵の陰謀を粉砕し、新しいヒトラー、東條を墓場に追放せよ!」

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マッカーサーと吉田は、ヒトラーや東條と比較されたことを「大変な侮辱」(吉田の言葉)と見做した。