事件のあらまし


昭電疑獄は、1948年5月25日、警視庁が化学肥料会社昭和電工本社の家宅捜索を行なった時から大事件に発展していった。

復興金融公庫から巨額の融資を受けるに際し、昭電社長日野原節三が厖大な賄賂をばら撒いた。

逮捕されたのは、銭を撒いた日野原、その銭を受け取ったと疑われた大蔵省主計局長福田赳夫、衆院議員大野伴睦、日本興業銀行副総裁二宮善基、経済安定本部長官・元蔵相栗栖赳夫、元農林次官重政誠之、既に辞任していた芦田内閣の副総理西尾末広。

有罪は、日野原、栗栖、重政。

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昭和電工本社ビル


第二次吉田内閣


吉田茂が、10月19日に、第2次吉田内閣を組織した。

12月7日、前首相芦田均は昭電疑獄で警視庁に逮捕されたが、無罪となる。

政治家たちが権力を求め、啀み合っている間も、GHQの共産主義に対する懸念は募る一方であった。



デュペル大尉の大演説


東京軍政部の民間教育担当官、ポール・T・デュペル大尉は、1949年2月3日、日本大学で演説を行なった。デュペルは、東京都教育委員会の委員たちを怒鳴りつけた男である。

彼の日大演説から、数行を抜粋しただけで、彼の主張は明らかになる。

「共産主義は汚物の中で育つ黴菌のように蔓延る」「大袈裟で、感情的宣伝にたやすく動かされやすいから、学生は簡単にストライキへと扇動される」



左翼教師の排除


「共産主義の教師は、無能力と好ましからざることで解雇されねばならない」「さらに危険なのは、静かで、控えめに、教室で共産主義理論を撒き散らす教師である」

「共産主義者とナチスや日本軍部は同じようなものである」「共産主義者はいつも結果で手段を正当化する。自由や人間の尊重を完全に無視する」

「大学内の共産主義者は、日本国憲法や教育基本法に反するものとして一掃されるべきである」「誰一人、学生の意志に反して、高等教育機関に残れと強制などしていない。もし、学生が学校の伝統や政策が気に入らないのなら、自分で学校をやめる権利がある」