一億総動転


「マッカーサー元帥解任!」のニュースは、日本で天変地異の大事件となった。動転したのは吉田首相を始め、全国民、それに日本のマスコミの全てである。

「日本一億総動転」の例を2、3点挙げてみる。

解任当日(日本時間、4月12日)の『朝日新聞』の社説「マックアーサー元帥を惜しむ」は、運命故、別れなければならなくなったマッカーサーへの「恋文」である。

長い引用になるが、読者が退屈しないと思うので披露する。


恋文


「われらの敬愛したマックアーサー元帥が、......なぜ一挙に解任されたのであろうか」

「われわれは終戦以来、今日までマックアーサー元帥とともに生きて来た。......われわれと元帥の関係は講和成立の日まで続くものと思いこんでいた。それだけにマックアーサー元帥が総司令官としての地位を去るということは、解任の理由如何を問わず、日本国民の最も残念に思うところである」

「日本国民が敗戦という未だかつてない事態に直面し、虚脱状態に陥っていた時、われわれに民主主義、平和主義のよさを教え、日本国民をこの明るい道へ親切に導いてくれたのはマ元帥であった。子供の成長を喜ぶように、昨日までの敵であった日本国民が、一歩一歩民主主義への道を踏みしめていく姿を喜び、これを激励しつゞけてくれたのもマ元帥であった」


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マ元帥の偉業


「元帥の在職6カ年の間に培われた日本の民主主義、平和主義というものは、もはや日本国民のなかに抜き難いものとなっていることは、われわれが多大の感謝の念と、多少の誇りとをもって、マ元帥ならびに連合国に答えうるものである」

「マックアーサー元帥の、日本占領政策における成功は、マ元帥の解任にかゝわらず永く歴史に残るであろう。......その偉大な功績を決して忘れないであろう」

「マックアーサー元帥によって日本人の心に打ちすえられた民主主義への基盤と方向は変らない。われわれは、たゞこの方向にそって、今までの道をさらに力強く歩きつゞけるであろう」

「それが終戦以来今日まで6年間われわれを導いてくれたマックアーサー元帥に対する何よりの感謝のしるしであり、これがとりもなおさず、日米間の友情、いな連合諸国との友情を永遠に結ぶ平和のかけ橋ともなるのである」