ブッシュ政権の苛立ち


米政府(ブッシュ政権)は国連と安保理に強いいらだちを感じており、それをマスコミで頻繁にはき出している。第二次湾岸・イラク戦争の開始について常任理事国の中国、フランス、ロシアが、「アメリカの正義の遂行に邪魔をしている」と思っているからだ。


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首都バグダードで銃撃戦を行う米軍兵士


「国連」そのものが時代遅れの無用の長物になっていると断言する論客も増えてきて、ニューヨークの国連ビル(日本で「世界平和の神殿」)を米本土から追い出せという強い意見がアメリカで広がっている。

この無用論が会費滞納の理由だ。2003年1月28日の夜、ブッシュ大統領が米議会で一般教書演説中に「国連は空論を論じる討論会である」と発言した。上院下院の議員たちの反応は「そうだ」とばかりの爆笑である。


反米に対する報復


第二次イラク戦争に強い反対を表明していた安保理・臨時メンバー国のドイツは、激しく叩かれている。「戦後ドイツはアメリカに大援助をしてもらったのを忘れたのか」「ドイツはテロの現状が見えていないのか」と非難されている。

フランスも、米軍にナチス・ドイツを撃退してもらったのを忘れたのかと「フランス・パッシング」に曝されている。フランス製品、特に厖大な量のフランス・ワインの不買運動が全米で起こっている。

米国民のフランス人評は、戦いに弱く戦争をすればすぐ敗れる、理屈ばかりこねて反米活動に明け暮れている、過去のフランス帝国の栄華を忘れることができず、米国に嫉妬をしている、である。この米仏の亀裂は本物で、永く尾を引いてゆく。

アメリカの意図に反対する国はひどい目に遭うという世界だ。事実、マスコミでも「フランスとドイツは我々の同盟国ではない」という発言がおおっぴらに出ており、国防長官ラムズフェルドまでが「ヨーロッパは古くなりすぎた」と発言した。


追従日本の悲しき姿


日本は、2002年12月16日から、イージス艦1隻と、米海軍と英海軍への燃料補給艦2隻をインド洋に派遣し、第二次湾岸戦争に出遅れない姿勢を表示しているので、ジャパン・パッシングは今のところない。

ブッシュ大統領も「日本の支援に深く感謝している」と言った。2003年2月上旬にCNNテレビで、日本国民の78%がイラクとの戦争に反対している」と報道された。

私は、アメリカのマスコミがどう反応するかと注意していたが、反応なし。



西鋭夫著『日米魂力戦』

第4章「国の意識」の違い -29