米国追随


米国の戦略に協力すると「いじめられない」という世界になっているのは、戦後60年間日本が充分体験していることだ。日本は、ODA・援助金で1番2番とおだてられ、個人金融資産(1400兆円)が世界一だと誉められながらも、外圧という内政干渉で国の政策をつくり、アメリカに追随する。怒らすと怖いアメリカは、この追随を完璧に利用する。

その一例。2002年6月、G7(ロシアを入れてG8)首脳会議がテロ攻撃を避けるためカナダの人里離れた森林の中で開かれている間、ブッシュ大統領は小泉首相と会談し、ヨルダンのアブドラ国王が日本を訪問(日韓共催ワールド・カップ観戦)することに触れ、中東情勢を解決するためにヨルダンが非常に重要なので、日本も協力して欲しいと要請した。協力とは、日本がヨルダンに与えている有償のODA援助総額1705億円をなしにし、さらに無償の援助金を大幅に増やすことである。小泉首相は分かりましたと約束した。

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アメリカの戦争資金


アメリカはまた日本の金で戦争をする。

1991年の湾岸戦争の時、強い米軍は驚くほど弱いイラク軍を4日間の地上戦で撃ち破り、日本から湾岸戦争の総経費6兆円の6分の1、1兆円を用心棒代として巻き上げた。だが、国連で日本は金だけ出して道義的な責任から逃げていると非難を浴びせられ、さらに4000億円追加させられた。それでも日本叩きは終わらず、なぜ自衛隊を出動させなかったのだと責められた。日本は、返答もできず下を向いたまま。

「力の外交」について、戦後日本は臆病になったのか。アメリカは、世界で認められたいと切望している日本を、「日本はイコール・パートナー」とおだて上げ、日本を使う。見え透いた外交辞令に踊らされる日本。踊れば軽視される。それを非情と責めることが見当違い。強い国が自国のために当然なことをしているだけだ。


アジアの中の日本


アジア諸国は日米関係に強い関心を持ち、日本の動きを細かに観察している。日本は脅しに弱いと認識するのに時間はかからない。それ故、アジア諸国は日本からの援助金は受け取るが、いまだに「日本の戦争犯罪」を外交の武器として使う。

60年前、日本軍の捕虜になった連合軍人たちからも、「肉体的と精神的な苦痛に対する賠償金を出せ」と裁判に持ち込まれる羽目になった。連合軍人たちが日本を責めるのはお門違いであろう。

あの熾烈なアジア・太平洋戦争中、太平洋の島々で米軍の捕虜になって生き残った日本兵は非常に稀である。日本兵は最後の一兵まで戦い玉砕をしたが、米軍の捕虜になればその場で撃ち殺されると知っていたのだろう。英語に「take no prisoners」という表現がある。「捕虜にするな、全員殺せ」という意味だ。


西鋭夫著『日米魂力戦』

第4章「国の意識」の違い -30