クウェート侵攻


日本がお金に酔っている時、遥か海の向こうで青天の霹靂の大事件が起こった。金持ち日本の姿をさらけ出すことになる1991(平成3)年1月18日の第一次湾岸戦争である。

現大統領ブッシュの父親が大統領の時であった。近代兵器で武装をしたイラク軍が、1990年8月、石油の豊富な隣国・クウェートを侵略し、集団虐殺をして、全土を占領した。

世界の警察官アメリカが登場する。

米国の威信と自信を完全に回復させることになる戦争である。


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左からコリン・パウエル、ノーマン・シュワルツコフ、ポール・ウォルフォウィッツ

(1991年2月撮影)



幼稚な日本


大富豪日本は強い国と思われていたのだが、「戦争はいけません」と絶叫する姿があまりにも純粋(幼稚)だったので、日本を崇めていたアジア諸国と米国は、期待はずれの大ショックを受けた。

外交術に長けたイギリスは、見事な呼吸で米国側にくっつく。日本はイギリスを議会政治の模範国と思い込んでいるので、せめて真似でもすればよかったのに。世界中で石油価格が2倍に暴騰した。それが石油100%輸入国日本の経済崩壊に追い打ちをかける。

日本が自由に経済活動を行えるためには、世界が平和でなければならない。すなわち、繁栄の基盤である世界平和を脅かす凶暴な国が、私たちの目の前で大量殺戮を行っている時、傍観しているのは悪い奴に加勢をしているのと同じである。日本は正義の味方になり、勇敢に戦うべきであった。日本は石油確保のためにも戦うべきであった。


無防備平和論


化石化した第9条の裏に隠れ、在日米軍に日本列島を守ってもらいながら、「平和が大切」と討論にもならないスローガンを叫んでいる人たちは、臆病者のふがいなさを隠しているかのように見える。戦後60年間、日本国内で「平和」を唱えている人たちは、各国の欲望が醜く絡み合う外交の実情を知らないのか、意図的に見ないようにしているのだろう。

無知と無防備のままの状態を平和的だと思っている。この悪性ウイルスのような無知は、日本国民の、大切な人を守る感動と誇りの純粋さをも冒し、私たちを臆病な群衆にしてしまった。

無防備が平和であるという自滅思想は、現実を見たくない精神的な鎖国である。この幼稚で危ない幻惑が、教育やマスコミを通して60年間も若者たちを食い物にしてきた。さらに、「戦争を始めるアメリカが悪い」と宣って、日本がとるべき責任をとらず溜飲を下げているインテリたちもいるが、真の姿は、日本人が背中を見せて逃げているのだ。日本は、空論には長けているが行動力のない人たちが多い国になった。




西鋭夫著『日米魂力戦』

第5章 戦争と平成日本 -9