blog86.jpgFrom:岡崎 匡史
研究室より

米国の100ドル紙幣に肖像が描かれているベンジャミン・フランクリン(1706~1790)。

フランクリンは、「井戸の水が枯れたときに、われわれは水の価値を知るのだ」と警句を発している。

劇的な変化を遂げる国際社会の中で、我々は身近にある「水」の位置づけを考え直さなければならない。

食料自給率と仮想水

四季折々の味覚を堪能できるグルメ大国の日本は、食料輸入に依存している。

日本の食料自給率は、40%前後と極めて低い。

食料や工業製品を輸入することは、それに付随した水を間接的に輸入することになる。この考えは「仮想水」(バーチャル・ウォーター・Virtual Water)と呼ばれる。

東京大学生産技術研究所の沖大幹教授らのグループが試算した結果によると、日本は年間で640億立法メートルもの仮想水を輸入している。

仮想水消費国

イタリアのローマに本部を置く国際連合食糧農業機関(FAO)は、食料を生産するのにどれだけ水が必要か試算を出した。

ハンバーガーを一つ作るのに2400リットル、グラス一杯のミルクに200リットル、卵一つに135リットル、リンゴ一つに70リットル、食パン一枚に40リットル、ジャガイモ一つを育てるのに25リットルもの水が消費されている。

日本ではハンバーガーショップや牛丼チェーン店が乱立しており、牛肉を大量に消費している。

牛肉の輸出元であるアメリカとオーストラリア、さらに畜産物の輸出国である中国や東南アジアから仮想水を大量に輸入しているのだ。

日本は膨大な「仮想水」を輸入する大量水消費国である。


ー岡崎 匡史

PS. 以下の文献を参考にしました。
・沖大幹「世界の水危機、日本の水問題」2002年
・国連開発計画『国連開発計画(UNDP) 人間開発報告書2006』(国際協力出版会、2007年)