blog87.jpgFrom:岡崎 匡史
世界の図書館①

世界で一番小さな国家・ヴァチカン市国。
東京ドーム約30個分の広さ。

ヴァチカンは、世界に12億人以上もの信者を抱えるローマ・カトリックの総本山。

1929年に「ラテラノ条約」(教皇ピウス11世とムッソリーニとの間で結ばれた政教条約)によって、国際的に主権国家として認知された。

ヴァチカンと日本

ヴァチカンと日本との国交樹立は、第二次世界大戦中の昭和17年。

アメリカとイギリスの抗議にかかわらず、大司教のパウロ・マレラ(1895〜1984)が全権大使として日本との外交に専念した。

日本の敗戦後、ヴァチカンとの外交関係は一時途絶えたが、マレラは教皇使節として日本で活動し、アジア各地に取り残された日本兵を帰国させるために助力した。

ヴァチカン図書館には、昭和天皇がローマ法王に当てた手紙も保管されている。日本でのキリシタン迫害の史料などが保管されているが、おびたただしい史料のなかから未公開の史料を発掘することは難しい。

日本語と英語だけの語学力では、ヴァチカン図書館を攻略することはできない。ヨーロッパの様々な言語に精通している必要がある。

ローマ教皇ニコラウス5世

ローマ教皇ニコラウス5世(1447〜1455)が、1448年に設立したヴァチカン図書館は人類の知の遺産である。

ヴァチカン図書館の地下には門外不出の貴重な史料が厳重に保管されており、出入りの記録が毎回とられる。

10万冊を超える古文書、60万冊の印刷本、40万個のコインやメダル、絵画や写真など世界中から収集された膨大な文献を擁する。

果てしなく奥まで続くような書庫に一瞬息を飲み込み、荘厳さと歴史の重みに圧倒される。

デジタルアーカイブス

ヴァチカン図書館は、史料を後生に残すための手段として「ヴァチカン教皇庁図書館デジタルアーカイブス事業」を2014年から開始。

劣化が進むと解読ができなくなる手書きの文献をデジタル化するためだ。

日本企業の「NTTデータ」が技術的な側面から参画し、約3000冊の文献を4年間でデジタル化。いずれは約8万冊あるすべての手書き文献を、デジタル化する壮大な取り組みである。

その成果は、Digital Vaticanaで公開されつつある。


ー岡崎 匡史
PS . 以下の文献を参照しました。
・高木一雄『日本・ヴァチカン外交史』(聖母の騎士社、1984年)
・Luca Becchetti and et al. 2009. The Vatican Secret Archives. Belgique: Paul Van den Heuvel.
・Regis Ladous. 2010. Le Vatican et le Japon dans la guerre de la Grande Asie orientale. Paris: Desclée De Brouwer.
・Digital Vaticana( [http://www.digitavaticana.org/] )
・NTTデータ([http://www.nttdata.com/jp/ja/services/sp/dataforthefuture/])