国を愛する心


家に強盗が入り込んできたら、政治的イデオロギーに関係なく本能的に家を防護するだろう。愛国心というものは、そのように純粋な心なのだ。

「愛国心」という言葉すら、日本語から消えつつあるような感じを受ける。真の「民主主義」は「愛国心」と結びついた時、初めて強くなるのだ。

日本の小・中・高等学校では「国を愛する心」が、あたかも過去の「軍国主義」と同じと見なされ、全く教えられていないのだろう。それでは過去の過ちの枷にはめられ、その虜になり、未来に向かって適切な行動が取れないという大きな悲劇を生む。湾岸戦争がこの悲劇をすでに浮き彫りにした。


やられっぱなしのニッポン


過去の悲惨な軍国主義のため、現在の日本は絶対平和主義に固執し、日本列島の周りの海がいかなる変化を示しても、それに反応することもせず、できず、おらが春を決め込んでいる。

そして「軍事」については、何事につけても、アメリカの言うこと、することに反対の意を示す。それはあたかも、アメリカに反対すれば世界が平和になると錯覚している日本のインテリの幼稚さか、または、甘やかされて育った日本の恥知らずのわがままなのだ。

日本人は、アメリカが武力と経済力にものを言わせ、日本に猛烈かつ不当な「外圧」をかけ、好き勝手な要求をしていると思うだろう。そのとおりである。アメリカは世界一の大国として当然のことをしているだけだ。そんなアメリカとわかっていながら、戦後50年、やられっぱなしの日本が情けない、と私は思う。


日本占領の呪縛


日本はアジアでわが物顔に振る舞っているが、いざ、対アメリカとなると恥も外聞もなく、独立国の誇りとか、尊厳とかを大切にせず、打ちひしがれた人間のように、「強いアメリカ」のにらみの下でオロオロしている。

日本人の精神構造の中に、強いものにはへつらい弱い者には威張りちらす、いじけた性格が、黒い影のように、不治の病気を誘発するバイキンのように潜んでいるのだろう。


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連合国軍最高司令官総司令部が入った第一生命館


このへつらいの原因は、アメリカの日本占領である。



西鋭夫著『富国弱民ニッポン』

第1章 富国日本の現状−12