貧困の元凶

白人たちから見ると黒人たちの貧困さは白人中産階級が「人種差別」しているからでなく、黒人たちは収入を増すだけの能力がないのだという論が成り立つ。黒人たちの貧困は自業自得だという。


すさまじいばかりの生存競争をするアメリカの資本主義社会が、これからも繁栄していくためには、IQに基づいて社会、政治、経済体制がつくり直されなければならない、と唱える白人が増えている。


東洋人のIQ

もし、このような論法がまかり通るなら、アジア人が一番上に立つべきだろう。東アジア人、特に日系と中国系アメリカ人のほうが、白人よりもIQが高いからだ。近年、有名大学への入学について難しい社会・人種問題が起こった。スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレイ校、ハーバード大学で、東洋人(日系および中国系アメリカ人)の数が多すぎると、白人から、そして黒人からも文句がついた。学業成績順で入学を決めるので、上位から入学許可を与えると東洋人が圧倒的に多くなる。大学当局は白人の圧力に屈し、東洋系の入学者を減らした。


アメリカの対日観

日本人は尊敬されているか。

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無残な敗戦にもめげず、力強く復興し、富を蓄え、世界で1、2位のお金持ちになった日本人は、アメリカ国民から頭が良いと思われているのか。


日本人は驚くべき才能を持った国民だと思われた。特に、1970年代、80年代の20年間、あたかもヴェトナム戦争の呪いに取りつかれたかのように、アメリカの経済と国威がとどまることなく落ち続けている間、日本の経済力と底知れぬ活力は世界の舞台でよりいっそう輝かしく見えた。アメリカが嫉妬と羨望から、ヒステリー気味に「ジャパン・バッシング」をやり始めたのにも、また「日本は世界で1番」とおだてたのにも、それなりの理由があったからだ。

ニッポンの奢り

特に1980年代、日本経済はバブルの熱気に煽られて、世界が日本の独占市場だと錯覚し、「強い円」で世界のめぼしいものを買いあさった。日本の金が世界のすみずみまで広がることで、恩恵を受けた国々が多いことを忘れてはいけないが、日本経済の一番大切なお客を怒らせた。


アメリカの鬱積している怒りが、現在の日米関係を悪化させている根本的な原因だ。日本は日米貿易の実体を「摩擦」と呼び、なんとか問題を小さく見ようとしているが、アメリカは今の貿易「摩擦」を「戦争」だと思っている。日本に二度と大きな面をさせないように、もう一度無条件降伏にまで追い込み、アメリカに土下座して「許してください」と言わしめてやろうと考えている。アメリカは烈火のごとく怒っている。




西鋭夫著『富国弱民ニッポン』
第3章 富国日本の現状−6