日米同盟の真意

ソ連対アメリカの冷戦がソ連崩壊、アメリカの「勝利」で終わった瞬間、アメリカにとって「軍事基地」だけとしての日本の重要さがなくなった。


アメリカの国防に日本の基地は必要ではない(今、どの国が超軍事大国アメリカに攻撃をかけるのか)。アメリカから見た日本の「うま味」は膨大な「カネ」だけだ。日本にあるアメリカ軍の基地はアメリカの金儲けに必要だし、アメリカがアジア市場で活躍する時の用心棒の役割を果たすためだ。


日本の国防にとってアメリカの軍事力は必要不可欠である。アジアで冷戦が終わっていないからだ。


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脆弱な基盤

2つの中国問題はこれから火を噴く状態になるかもしれないし、朝鮮半島はいつまた激戦地になるかもしれない。対岸の火は必ず日本に飛び火する。その時、日本は自国を守れない。


アメリカに見捨てられたら、日本は瀕死だ。片思いの現実が見えてきた。そんな現実がいやなのか、日本の知識層の間で最近流行している熟語は「脱欧入亜」。日本は欧米と手を切り、アジアと組め、という意識だ。


アメリカも同じようなことを考えている。日本と手を切り、アジアと組む。アジア市場は閉ざされた日本より広い。もっと金が儲かるのではないかと考え始めた。

アジア・シフト

アメリカが日本は永久に変わらない、変われないと信じ始め、日本の市場を無理をしてこじ開けることはない。それよりも、もっと大きなアジア市場(中国、東南アジア、インド等)を手中に収めようと動きだした。


日本もアジア市場を独占したい。そうすると、アメリカの国益と日本の国益が衝突する。日本の経済力だけがアメリカの国益を脅かすものとアメリカは読む。だから、最近の日米貿易戦争は激化してきている。アメリカは正当だろうが不当だろうが、おかまいなく次から次へと要求を突きつけてくる。


日本政府と企業はその対応でキリキリ舞い。その間にアメリカはアジア市場に進出する。





西鋭夫著『富国弱民ニッポン』

第4章 富国日本の現状−1