軍拡競争

戦後50年間、アメリカも、ソ連も必死になって膨大な量の武器を作り、巨額のカネを軍事力増強に使い果たした。先にカネのなくなったソ連が負け、ソ連自体が崩壊するという悲惨な運命に陥った。


今、ソ連(ロシア)国民は食べる物もなく、目的もなく、茫然とした毎日だという。さらに、残酷な内戦が各地で勃発している。


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アメリカは世界一の軍事力と世界一の借金を抱え込んでいる。日本へ借金が返せる見込みはないし、返す気もない。


冷戦とカネ

長く続いた冷戦中、アメリカは日本を味方につけておくため、富めるアメリカ市場を日本に提供し、日本を金持ちにしてくれた。


日本国民が多くの犠牲を払い、懸命に働き、大量の日本製品を海外へ輸出できたため、今や日本は、諸外国がうらやましがるほどの経済大国だ。輸出ができたのは、戦後、ヨーロッパとアメリカによって促進された国際自由貿易体制のおかげだ。日本はこの自由な世界市場に良い製品を売りまくり、大儲けをした。


アメリカは日本がこの自由貿易体制の存在を空気のように当たり前と思い、全く感謝をしないと怒っている。「自由貿易」を使うだけでなんの貢献もしないと非難する。アメリカは日本を「火事場ドロボウ」と思っている。


恩を忘れた日本

人間も、国も、調子に乗りすぎる時もある。日本の自動車だ。日本の自動車会社は猛烈な輸出攻勢で、アメリカの誇り高き文化の「聖地」デ卜ロイ卜を廃墟にしてしまうほど、日本車を売り込んだ。


アメリカ政府は自由貿易のルールを保つためと思い、デトロイトは日本車をそれほど真剣に受けとめておらず、日本からの車をどんどんアメリカに入れた。そして、ハッと気がついた時には、アメリカ中を日本車が走っているではないか。


「日本よ、いつまで甘い汁を吸っているつもりか?オレたちの製品も買ってくれ!」


「別に欲しいものはアメリカにない」というのが、富める日本の態度だった。「あれほど戦後日本の復興に手助けしてやったのに」と思っているアメリカには、想像を絶した日本のわがままな態度であった。




西鋭夫著『富国弱民ニッポン』
第4章 富国日本の現状−9