思考停止の中央政権

アメリカが「安保を廃止するぞ」と脅しをかけてきたら、「どうぞ」と言え。


オタオタするのはアメリカだ。もちろん、そんな度胸は今の日本にはない。


万年野党で、「安保」大反対だった社会党の村山首相に、それぐらいの勇気はあると思ったが......。勇気どころか、村山政権はアメリカとの「安全保障体制はわが国の安全の確保にとって必要不可欠」だと、あたかもアメリカにへつらうようなセリフを吐いている(平成7年11月28日発表の「防衛計画の大綱」)。


勇気を見せた沖縄

今、日米安保条約にからんで沖縄の問題がある。沖縄は日本国土のわずか0.6%。その小さな島の20%がアメリカ軍の基地だ。在日アメリカ軍の75%がそこにいる。


日本本土では沖縄を観光地のように思っているが、沖縄県民にとっては基地の存在による影響は甚大だ。沖縄県の大田知事は「アメリカ軍は出ていけ!」と言い、民有地の強制使用許可書類への署名を断った。日本の首相は、その大田知事を裁判にかけた。


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平成8年8月末、最高裁は「強制使用を定めた駐留軍用地特別措置法は、憲法に違反しない。知事の代理署名の拒否は著しく公益を害す」という判断を示したが、安保条約を締結している以上は当然のことだ。問題は安保自体をどう考えていくかである。その意味では、本当に勇気のある男は大田知事なのかもしれない。


共和党の牙城

私はスタンフォード大学内にあるフーヴァー研究所で日米外交史について研究をしてきた。そこで、日本の「国防」についてたびたび討論した。


フーヴァー研究所は優れた学術研究をするだけでなく、世界でも指折りの図書館を持っており、そのうえに米国共和党の最も強力なシンクタンクでもある。


レーガン元大統領は研究所の名誉研究員であり、大統領選挙前、たびたび研究所を訪れ、学者たちと懇談をしていた。レーガンと学者たちの非公開の討論に、私も出席し傍聴した。彼の気取らない政策論議は興味深く、また説得力もあった。




西鋭夫著『富国弱民ニッポン』
第4章 富国日本の現状−14