人種差別

不思議なことに、アメリカ政府およびデトロイトは、あれだけ多数の車を売ったドイツには一言の文句も言わない。マスコミも取り上げない。


ベンツ、アウディ、BMW、フォルクスワーゲン、ポルシェとドイツ製の車はたくさん街中を走っている。その他のヨーロッパ製の車(例えばスウェーデン製のボルボ)も全米を走り回っている。アメリカがドイツに全く文句を言わず、日本には口喧しく文句を言うのは、「人種差別」から来ているのか。


差別をしている「証拠」を探し出すのはほとんど不可能だが、アメリカの対ドイツと対日本への外交態度の違いは一目瞭然であり、日本人から見ると、人種差別から出た違いと見えるのは仕方がない。この点について沈黙している日本政府の外交のまずさも、この差別待遇を促進させているのだ。


勝者と敗者

日本はアメリカから都合の良い時だけ持ち上げられ、喜々としているが、アメリカの都合が悪くなると、「殴られ役」に回され、よってたかっていじめられる。そして、日本はそれを黙って耐える。


なぜ、アメリカは日本に対し、常に高飛車に出るのか。


アメリカから日本に対しての数々の高圧的な要求は、今に始まったことではない。この両国間の不平等な外交関係を見るのに、徳川末期のペリーの強制開国要求にまでさかのぼる必要もない。


昭和16(1941)年12月に勃発したアジア・太平洋における第2次大戦で、アメリカは恐怖の日本帝国を徹底的に破り、大勝利を得た。原爆を2発も日本列島に落とし、比べものにならない軍事破壊力を日本および全世界に見せ示した。


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アメリカの正義

あの時から、現在の「不平等」外交が始まり、それが今でも続いているのだ。


アメリカは「軍国主義日本」を無血革命で「民主主義日本」に大改良し、また、「封建的日本」を「近代日本」に進歩させたと自負しており、アメリカはこの12歳の子供の模範的な大先生だと思っているし、日本もごく最近までそう思い込んでいた。


終戦直後、全世界が灰になっていた時、雄々しく正義感にあふれ、民主主義と平和を広めんとしたアメリカは、長い戦争に疲れ切った人々に希望と夢をもたらした。自由主義諸国の経済復興も、アメリカからの膨大な救援なしにはとうてい無理であったろう。




西鋭夫著『富国弱民ニッポン』
第4章 富国日本の現状−19