国際社会の鉄則

湾岸戦争でのアメリカに支払った用心棒代は1兆円。次は10兆円か。このようなシナリオは現実離れしていると考える読者は、1930年代のヨーロッパ大陸および日本帝国を含めたアジア大陸を思い起こしていただきたい。


当時、弱肉強食、適者生存の鉄則が世界を牛耳っていた。日本帝国自体、その鉄則に基づいて行動したのだ。最近の湾岸戦争も弱肉強食の争いであった。


現在の肥満児日本は、その鉄則が今や死に絶えたとでも都合よく考えているのだろう。「国」「国境」という観念が人間社会にある限り、この鉄則は存在する。日本に他国を侵略する欲望がないから、他国も日本に対してそのようなよこしまな欲望を持っていないと思うのは、あまりにも世間知らずである。


愛国心の尊さ

このような悲惨な状態から抜け出す方法はあるのだろうか。戦後50年をかけて、日本は国歌、国旗を大切にしない国になった。国の象徴を軽視し、無視する教育で若い世代を育て、世の中に送り出す日本になった。


「国際化」という言葉が流行し、日本も国際化しなければ、と念仏のように唱える人もいるが、まず日本の真の姿を理解しなければ、真の国際化はできない。根がしっかりしていない木は、大きな木に育たない。


現在のみじめな状態から抜け出す方法は、すばらしい伝統文化を持っている日本を大切にするという教育哲学を再建し、それを実践することだ。これは意外とやさしいかもしれない。というのも、日本人一人ひとり、胸の奥深くに「愛国心」の灯火を持っているからだ。


国の尊厳を保つこと

海外に出ていて、その土地の田舎でも、都市でも、日本の国旗を見た時、実にうれしく思う。何か心がほのぼのと温かくなり、その国まで好きになる。ましてや、その外国で日本の国歌の演奏を聞いた時など、理由なく胸が熱くなり日本人としての誇りをかみしめる。


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また、オリンピックで金メダルを取り、表彰台でニコニコと笑みを浮かべていた日本人選手が、「君が代」が吹奏されるやいなや、日の丸を見上げ、どっと熱い涙を流す。われわれは、それを美しいと思う。尊いと思う。これも愛国心の表れではないのだろうか。


日本は、国際社会の中で尊敬されたいのなら、刹那的な人気取りのための政策や援助金のばらまきをやめ、国の尊厳を保つ言行一致に努めなければならない。国の尊厳こそが国の真の「力」だ。




西鋭夫著『富国弱民ニッポン』
第4章 富国日本の現状−24