blog130.jpgFrom: 岡崎 匡史
研究室より

台風19号は多くの傷跡を残しました。

埼玉県出身の私も、地元の都幾川や越辺川が氾濫したニュースを見て、気が気ではなかった。すぐに日本に帰らなければと、、、


そのとき目に留まったのが「歴史資料ネットワーク」の呼びかけでした。水や泥で汚れてしまった古文書や歴史資料を捨てないで欲しい。なぜなら、適切な処理をすれば、修復する可能性が残っているからです。

2011年3月11日に発生した東日本大震災で津波に襲われた図書館や博物館もある。貴重な資料は流され、海の藻くずとなった。

歴史を振り返れば、地震大国の日本は関東大震災、阪神淡路大震災を経験し、さらには太平洋戦争では東京は空襲の嵐に遭い、広島・長崎には原爆が投下され日本は廃土と化した。

一度失ってしまった資料を取り戻すことはできない。

公文書のデジタル化

記録を残すには、デジタル化は避けて通れない道です。知の遺産を伝える努力をしないと、人々の記憶から忘れさられてゆく。

デジタルの長所を、世界各国の図書館や公文書は有効に利用しています。資料を検索する際は、索引や資料の内容が電子化されており、図書館内でデジタル化された資料にアクセスできるだけでなく、インターネットを通じて外からのアクセスもできる場合もある。

日本でも国会図書館や国立公文書館をはじめとして、主要な大学でもデジタル化に取り組んでいる。知の伝統を保存し、資料の永続性という観点からも、デジタル化は必須の作業だからです。

E−mail

しかし、デジタル化の弊害もあります。それは、E-mailの保存方法です。

インターネットが誕生する以前は、手紙でやりとりが行われていました。政府や高官の指令書、組織間での覚書なども残されていた。しかし、近年ではヒラリー・クリントンに象徴されるように、個人のサーバーを利用して、部下にE-mailで指示を出していた事実が発覚しているのです。

インターネットの普及とデジタル化の発達で、表向きの公文書だけが残り、途中経過や細部の情報がわからない、という状況が生まれつつある。

皮肉なことに、過去の手紙や指令より、電子メールのやりとりのほうが入手困難なのです。重要人物の電子メールを、後生に残す方法を見つけ出すことが今後重要になってきます。


ー岡崎 匡史
PS. 以下の文献を参考にしました。
・ジョン・ポールフリー『ネット時代の図書館戦略』(原書房、2016年)