米軍基地



アメリカと日本との終わりなき貿易戦争は「カネ」をめぐっての戦いだけではない。アメリカが「権力の地位」を維持するために、日本を抑え込もうとしていると見るベきだ。もし、日本がアメリカの言うことを聞かねば、アジア全土でアメリカの国威が地に落ちると信じている。


このことはアメリカが太平洋沿岸で、アジア全域で、日本が最も重要な経済大国であるということをハッキリと意識しているからだ。日本を抑えれば、大発展をするであろうアジア市場も手に入る。


それゆえ、アメリカ国防省は国威を保つため、アジア全土に目を光らすため、軍事基地を今後20年間、現状を維持すると発表した。



日本占領の残滓


日本政府はこれを聞いてホッとしている。

これで、国防も憲法第9条も考えなくてよいからだ。アメリカ政府は日本政府がそう考えるだろうとわかっていて、アメリカ進駐軍を日本に今のまま滞在させておくと言ったのだ。ホッとしていると同時に、後味の悪い感情が日本人の意識の中に残っている。アメリカの日本占領が、いまだに続いているからだ。

戦前には日本国土に外国の軍事基地はなかった。アメリカ軍が日本各地に基地を持っているのは、アメリカが日本から得た「戦利品」だからだ。日本国民はこの事実を忘れてはいけない。

東京裁判史観


マッカーサーは「日本的なものすベて」を破壊しようとしただけでなく、それに「悪」「劣等」「罪」というレッテルを貼り付けた。この「罪悪」が東京裁判史観である。

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明治以来の日本人の欧米コンプレックスの上にはめ込まれた、この「マッカーサーの呪縛」は、今日、世界第2位の経済大国となっても、日本人の意識の底に後遺症を残している。これが依然として、日本人の精神的な「アメリカ対日占領」からの脱却を困難にしている。

マッカーサーは日本国民の「愛国心」を「悪」としたが、日本人はいつまでこのマッカーサーの誤った考えを守っているのだろうか。「愛国心」という言葉をタブー視する国が、世界のどこにあるのか。



西鋭夫著『富国弱民ニッポン』

結び/後記 富国日本の現状−1