基礎研究の大切さ


私はあちこちから聞きましたけれど、もう既に近畿大学のマグロのほうが、大間でとれるマグロよりも美味しいようですね。天然よりも、餌をコントロールしているためだそうです。すごい着眼点だと思います。将来的には、ウナギも養殖の世界に入るのではないでしょうか。

希少な魚については、これから様々な大学が養殖に取り組むのではないかと思います。ただし、基礎研究をしっかり行っている近畿大学には、そんなに簡単に追いつけないでしょう。基礎研究はそれだけ大切です。

近畿大学がさらに偉いのは、成果が出る、出ないにかかわらず、何十年間も資金を出し続けた、ということです。リーダーがしっかりしているのでしょう。リーダーに先見の明がある、というのはこのことです。

日本では最近、トキが絶滅危機に陥っていると聞きますが、近畿大学に「トキで日本の空をピンクにしてください」と頼むのはどうでしょうか(笑)。私がマグロの養殖のことを知ったのは、ずいぶん昔のことですが、成功したらすごいなぁと思っていたら本当に成功しました。今は量産していますから、さらにすごい。


関西の七不思議


私が学生の頃のことも少し話をしましょう。私は西宮にある関西学院大学に入学しました。あの頃は、関西がビジネスの中心地でしたので、東京のことを考えていませんでした。


早稲田、慶應、東大と言われても、何もわかりませんでした。あの頃は、関西学院大学、関西大学、同志社大学の3校が競争していました。今は立命館大学もすごいですが、立命館も近大も、私たちの目線にはなかったのです。眼中になかったのです。これがそのときの話でした。

しかし近大の台頭たるや、日本中の大学を圧倒しています。それどころか、マグロの完全養殖を実現したのは世界中で近畿大学だけです。これは偉業です。


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日本政府は近畿大学にどんどんとお金をあげて欲しいです。100億円ほど出して、「次はウナギを頑張ってね」「鯛もたくさんつくってね」と、言ってください。大げさに聞こえるでしょうが、それほどの偉業だと思っています。日本国民の胃袋を満たすこと。これほど重要なプロジェクトはありません。


西鋭夫のフーヴァーレポート

2015年8月下旬号「大学ランキング」− 14