日本のマスコミ力


日本の報道には中身がない。報道技術がないのではなく、報道のコンテンツが劣っているのです。

劣っているのは、それぞれのマスコミに従事されているジャーナリストたちが突っ込んだ質問や聞き込みを行っていないからです。突っ込んでも、編集長や出版社の親分が「ダメ」と言います。政府とメディアが近すぎます。


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アメリカでは、政府とメディアが近い関係にあることが分かると、メディアやジャーナリストたちの信頼性が疑われます。「御用新聞」とか、「御用メディア」などと言われ、商売としては成り立たなくなります。そうした評判が立つと、もう誰もその新聞社やメディアを信用しません。

政府に寄り添うメディアが生き残る日本と、それをやったら生き残れない米国との差は歴然です。質的かつ量的に、日米のメディアは大きく異なります。


権力に諂うジャーナリスト


そんな中にあって、可哀想なのは私たち日本国民です。日本は、主要な新聞社にせよ、放送局にせよ、メディアの数が圧倒的に少ない。

かたやアメリカは新聞の数もチャネル数も非常に多い。しかもアメリカの場合は、権力に対して一歩も引きません。強い姿勢でチェックしています。権力に諂(へつら)うと、そのメディアは信用を失います。それでアメリカのジャーナリストは現政権が何をやっているのか、そしてそれをどのように評価するのか、容赦なく徹底的にやるわけです。

おそらく、現大統領が聞きたくもない、見たくもないことをズケズケと言います。それを良しとするのです。これがジャーナリストのお仕事であり、使命です。

こうした姿勢が、日本にはほとんど見られません。現在の日本ですと、安倍首相を批判するメディアは非常に少ない。


なぜ日本はニュースにならないのか


日本が世界でニュースにならないのは、日本には本当の意味での「ニュース」がないからです。

日本のことをアメリカの放送局が取り上げないのは、米国民に伝えたいニュースがないからです。英語が出来るか否かなど、言語の問題ではありません。アメリカからすると、「日本では何も起こってない」。読みたいとか、話題になるようなものがないのです。

最近、私の友達が、「日本では今、ヤクザ同士が喧嘩しているようだね」と、教えてくれました。米国民が知る現在の日本の姿はこの程度です。私は驚きながら、どうしてそんな情報を知っているのかと聞くと、「どこだったかなぁ」と返答されました。そのレベルです。




西鋭夫のフーヴァーレポート

2015年9月上旬号「米国メディア」− 2