妥協なき世界


アメリカにおける大統領選は、斬り合い、刺し合い、撃ち合いの世界です。共和党と民主党の間で大喧嘩です。それぞれの哲学が違うので、その喧嘩は宗教戦争です。

「妥協」はありません。共和党は民主党と妥協したくないし、逆もしかり。

日本のマスコミも、そういうところをもう少し報道すればいい。しかし、おそらく日本のジャーナリストは、「いったい、どこまで書いて良いのだろうか」と、自己検閲しているのでしょう。セルフ・コントロールです。


それぞれの支持基盤とは


民主党を支持している人は若い人が多く、またほとんどが「弱者」です。一方、共和党を支持している人は経営者側が圧倒的に多い。

民主党員はDemocrat(デモクラット)と呼ばれますが、彼らは社会主義的な発想をします。国が社会のあらゆる面をコントロールして、できるだけ多くの弱者にも手を差し伸べようとしてきました。したがって民主党はこれまで、黒人やメキシコ系(ヒスパニック)、アジア系などから支持されました。白人からも支持されましたが、一部の裕福層を除くと、特に中産階級やそれよりもちょっとお金がない人たちに人気がありました。

共和党員の多くは、「税金を下げろ」「政府を小さくしろ」と主張する経営者たちです。共和党下のアメリカで働けば、そのお金は自分のものになります。アメリカン・ドリームです。一生懸命に働けば、働いたお金は自分のもの。税金で金を取る大きな政府にはウンザリしています。


トランプ旋風


現在(2015年9月上旬)、ニューヨークの大富豪で、トランプ・タワーで有名なドナルド・トランプ氏が絶大な人気を誇っています。共和党から出てきました。


2h4.jpg


彼はもう言いたい放題です。オバマ氏に投票したものの、裏切られたと思っている人々の気持ちを代弁しています。ワシントンD.C.(連邦政府)に対して強い不信感を持っている人たちもトランプ氏を絶賛しています。彼の講演会は満杯で、先日はアメリカン・フットボールのスタジアムでやっていました。

日本で言えば、例えば東京ドームで演説しているのと同じです。彼は満員の聴衆に対して、言いたい放題でした。


 

西鋭夫のフーヴァーレポート

2015年9月上旬号「米国メディア」− 4