ハリウッドと政治


映画で有名なハリウッドは8割、9割が民主党を支持しています。オバマ氏が大統領になったとき、ハリウッドは大スターを迎えるように盛り上がっていました。ハリウッドの民主党寄りの姿勢は昔から変わっていません。残りの1割から2割は共和党の支持者ですが、ハリウッドでは「俺は共和党支持者だ」と言うと村八分にされるので、皆さんおとなしくしています。

ハリウッドの一番の関心は、製作した映画がアメリカ国内はもとより、世界でどれだけヒットするかです。だから、できるだけ政治に関わりたくない。これが本音です。

お金持ちの俳優やディレクター、プロデューサーたちは別です。彼らの多くは民主党に多額の寄付をします。共和党支持者で有名なクリント・イーストウッドも別格で、彼は堂々と自分が共和党支持者であることを明言しています。


なぜ民主党なのか


なぜハリウッドは民主党を応援するのでしょうか。

そのもっとも大きな理由は民主党に対する「期待」です。民主党に対しては、「米国民のために何かやってくれるのではないか」と考えています。一方の共和党に対しては、「彼らは米国民全体ではなく、自分自身のためだけにお金を使っているだけではないか」と厳しい。

民主党支持の背景には、ハリウッドの精神とでも呼べるものも関係しています。ハリウッドでよく作られる映画を注意深く観察して下さい。基本となるストーリーには、いつも「悪者」や「権力者」が出てきて、これに対して一歩も譲らず、正義を貫く「米国民」や「一個人」が出てきます。戦争映画でも同じで、戦争という「悪」に対して、一兵士や一将校が正義を貫くために殉職する。そして最後には正義が勝利を収める、という流れです。この展開が、大ヒットをもたらす基本構造です。

大ヒットで得た莫大な資金をハリウッドの住人たちは、「米国民のために使いたい」と考えます。これが民主党への「期待」に重なり、多くの支持者が生まれる。今も昔も変わらない、ハリウッドと政治の世界の内情です。


2h6.jpg


ハリウッドの精神とGHQ


ハリウッドの精神を国際政治の世界でもっとも効果的に用いたのがGHQです。占領中の日本には、たくさんのハリウッド映画が入ってきました。特に、ディズニー映画が有名で、小学校時代には先生に連れられて、みんなで見に行きました。当時のディズニー映画は文部省推薦です。だから、堂々と見に行った。

文部省の推薦については疑問に思う人もいるでしょう。しかしGHQに「推薦しろ」と言われれば、拒否することはできません。それで、ハリウッド産の映画を、日本の教育機関の長である文部省が推薦することになった。GHQの片棒を文部省が担いだわけです。

当時の私は小学生。思い起こすと、1年に一度はハリウッド映画を喜んで見に行きました。


西鋭夫のフーヴァーレポート

2015年9月上旬号「米国メディア」− 6