米国メディアの反応


米国のメディアはウィキリークスに対して一種の恐怖心と羨望を抱いています。なぜ恐れるのか。それは、メディアが出来ないことをウィキリークスがやってしまうからです。ウィキリークスが記事を書き始めたら、おそらくピューリッツァー賞の連続受賞も間違いないでしょう。

しかし、米政府はウィキリークスを野放しにしない。ウィキリークスの創始者の一人、ジュリアン・アサンジを捕まえたら、スパイ罪で永久に監獄に入れるでしょう。

米国のメディアはウィキリークスからの情報を用いて記事を書きます。情報に飢えたジャーナリストたちは、事件の核心に迫る最後の断片を必死に探しています。俗に言う「情報のウラ」です。これが取れないと記事は書けない。だからジャーナリストたちは、ウィキリークスがスッパ抜いた情報に飛びつくわけです。


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盗聴疑惑


ウィキリークスには、元CIA局員のエドワード・スノーデンのような人物も絡んでいます。デジタル情報技術の進歩も凄まじい勢いで進んでいます。情報に対する執着と、情報を獲る技術は想像の域を超えています。

日本の総理や政府高官、大物政治家らの携帯は、ほとんどが盗聴されているでしょう。大手民間企業や日銀の幹部らも例外ではありません。盗聴されている期間は十数年ですか。それ以上かもしれません。

安倍総理がオバマ大統領に文句を言ったら、単に "I am sorry" という返事が返ってきました。「ごめんね」という感じです。これは陳謝ではありません。もう二度としませんと言ったかどうかはわかりませんが、仮に私がオバマ大統領であれば盗聴し続けます。

当然です。情報を集め、日本の首脳たちの考えを知らないといけない。反対しようものなら、未然に手を打つ。これが弱肉強食の国際政治の世界です。


武士道では勝てない


盗聴を卑怯な手段だと思う方が幼稚です。日本と米国は同盟関係もあり、経済提携関係もあり、とても近い間柄です。それでもなお米国は、首相たちの電話を盗聴し続けてきたわけです。情報は国際政治の命運を握るもの。米国では、大統領府も国防省、国務省もそれを熟知しています。

日本も米大統領の電話を盗聴することに力を注いだ方が良い。そのくらいの勢いが普通です。日本でも、天才ハッカーを集めてハッキング部隊を作ったらどうでしょう。

おそらく、世界の主要国でハッキング部隊を持っていないのは日本ぐらいではないでしょうか。中国のハッキング部隊は、米国防省のハッキングに成功したようです。米国は激怒しているでしょうが、この経験が米国のサイバー部隊をさらに強靭なものにするでしょう。


 

西鋭夫のフーヴァーレポート

2015年9月上旬号「米国メディア」− 8