好景気の裏事情


中国の国家主席による訪米を控え、米国がこれにどう応えるかについても活発な議論が続いています。焦点は経済です。米国民からは、「接待なんか必要ない」「接待はビッグマックで十分」「アメリカの産業を盗んだな。お金を返せ」など、生々しい発言が聞こえています。

米国経済は今(2015年)、良好な状態にあると考えられていますが、その内実は、株価が上がっているだけです。過剰に出回ったお札が行き場を求めて、株に向かっているだけ。冷静な経済学者はこれを見抜いており、近い将来、世界的な株の大暴落が始まるのではないかと、警鐘を鳴らしています。

米経済が不況に陥ると、最初に狙われるのはおそらく日本の自動車産業です。「お前ら売りすぎだから、もう日本車はいらない」「日本車を買って欲しいなら、もっと米車を買え」と言われるでしょう。日本の円安政策を真似てか、中国も元を安くしました。それもドルに対してです。

米国が疑心暗鬼になっているのは、今や中国だけではありません。同盟国である日本にもその矛先は向けられています。


手のひらの中の情報網


私は今も新聞を読んでいますが、紙面を開くとそこはもう広告ばかりの世界です。記事はほんの一部しかありません。

現代の若者で新聞を読んだことがある人はごく僅かでしょう。見たこともない人もいるかもしれません。iPhoneだけで十分ですから、新聞は今後、発行部数をさらに減らすことになるでしょう。

情報はすべて手のひらにある時代です。リアルタイムという言葉がありますが、情報はiPhoneの中へと瞬時に入ってきます。良い情報や悪い情報、確かな情報、間違った情報も含め、すべてが瞬時に入ってくる。それはもう、圧倒的な量です。


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情報の真意が問われる時代


それらを読んでいくと、何が本当なのか、嘘なのか、がわかってきます。しかし、量をこなさないと真実はそう簡単に見抜くことができません。

一昔前は多くの人が、「『朝日新聞』が言っているから」とか、「『読売新聞』が言っているから」などと、各新聞社からの情報をもって真実か否か、正しいか否か、を判断していました。

この状況にも終わりが来るでしょう。ニュースは今やデジタル化され、米国内のニュースも世界各国・地域のニュースも、瞬時に訳されて、私たちの手のひらの中にやってきます。

言語の壁、言語の国境はもはやほとんど存在していません。ニューヨーク・タイムズが書いた記事が、同日中に東京で読むことができる時代です。しかも日本語で読むことができます。あと5、6年経つと、言語の国境は完全になくなるでしょう。




西鋭夫のフーヴァーレポート

2015年9月上旬号「米国メディア」− 9