テロの恐怖


オバマ大統領は移民受入に躍起になっていましたが、アメリカ社会はたとえ50人の受入であっても大反対運動が起きるでしょう。それほどアメリカは9.11後、「イスラム教徒のテロリストは危険だ」と刷り込まれました。私は50年以上、アメリカに住んでいますから、それが肌感覚でわかります。ゆえに、オバマ大統領が移民受入を本気で行ったら、歴史に残るどころか、大暴動を引き起こすでしょう。目に見えています。

もちろんアメリカ人は「人種差別はいけない」と思っています。しかし、アメリカはこの難民を「人種」と捉えていない。「テロの恐怖」と捉えています。

私たちには、入ってくる人々がどんな人なのか、精査もできません。そもそもパスポートもないかもしれませんし、身分証明書などはひょっとしたら偽物かもしれない。そんな人々をアメリカに住まわせるなんて、全米のおよそ8割は許さないでしょう。これを強制すると、大統領自身が危ない。


ドイツの奇跡


難民に対するヨーロッパの対応を見ると、ドイツの対応が圧倒的に素晴らしい。よくあそこまで出来るな、と感心です。メルケル首相が偉いのでしょう。

ドイツに入ってきた難民は、仮設住宅に住み、ドイツ語を学び、就職案内を受け、そしてもちろん生活保護も受け取ります。しかし、これは1万人規模であればできるでしょうが、今後ますます増えていく中で、やがては限界を迎えるでしょう。

ドイツは他のヨーロッパ諸国にも「受け入れよ」と言うでしょうが、お金のない他のEU諸国は無理。お金持ちのドイツだから受け入れが可能なのです。


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文明に対する脅威


ドイツ以外のEU諸国が移民受入に慎重なのは、自分たちの文明に対する危機意識があるからです。つまり、移民らによって、自分たちの文明が潰されてしまうのではないか、伝統的なコミュニティーや街が潰されてしまうのではないかと、危惧するわけです。

イスラム教徒たちがこれだけ入ってくると、彼らは自分たちのモスクを建て、自分たちの集落を作り始めるのではないか。これを問題視するものなら、彼らは過激に反発して、テロを起こすのではないか、と。ヨーロッパは戦々恐々としております。


西鋭夫のフーヴァーレポート

2015年9月下旬号「難民」− 4