国を守る意思


中東の恐ろしさをヨーロッパの人々は長い間、身を以て経験しています。これに拍車をかけるように、ISISが残忍極まりない行為を繰り返しています。ビデオでの公開処刑はヨーロッパ人に大きな衝撃を与えました。

仮に、ヨーロッパが難民の受け入れを止めたらどうなるのか。「日本も受け入れなさい」と言うでしょう。実際、すでに「60万人規模で受け入れよ」と聞こえています。しかし皆さん、60万人の難民が日本の海岸線に押し寄せてきたらどうするのでしょうか。私たちは、ヨーロッパ諸国やアメリカが、鉄条網を作る様子を見て「やり過ぎだ」とか、「人権無視だ」とか平気で言っていますが、そんな流暢なことは言えない。必死になるでしょう。

国境を守るだけでなく、自分たちの文明と文化、そして言葉を守らなければならないからです。


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優生思想


移民、難民として実際に国境を越えようとしているのはどんな人なのか。具体的に考えて下さい。その多くは、体力のある若いお兄ちゃんたちばかりでしょう。この男たちが、自分たちの娘に手を出すことを、受け入れ社会は絶対に許しません。表立っては言えませんが、本音はどの社会も変わらない。自分たちの文明に、他の血を混ぜたくない。

純血のアーリア人が存在するドイツではなおさらです。ナチスを育てた土壌がありますから、ドイツでは今後、極右政党が大躍進する可能性が大いにあります。

今は寸前のところで、この本音が抑えられている状態です。ナチスドイツの残虐な歴史から、むしろ今は「受け入れざるを得ない」ということかもしれません。表面的には罪滅ぼし。しかしドイツは、これによって高く評価されるでしょう。


窮地に立つメルケル首相


一方、指導者の胸中はかなり複雑でしょう。ドイツの中に、いわばイスラームによる新しい国が作られてしまっている。ドイツ中にモスクもできます。このニュースは、YouTubeやツイッターを通して、瞬く間に広まるでしょう。

メルケル首相は窮地に立たされています。事態は最悪です。「難民はこれ以上、受け入れません」と言えば、ナチスの教訓から何も学んでいないのか、と批判されます。難民を受け入れ続けると、対応が追いつきませんから、政府の姿勢が厳しく問われます。

ドイツ以外の周辺国は、自分に火の粉が落ちないようかなり慎重です。下手に手を出して、難民に大勢の死者が出たらどうするか。この責任は誰が持つのか。食料や薬を提供しなかった人の責任になります。


西鋭夫のフーヴァーレポート

2015年9月下旬号「難民」− 5