私的メール問題


2015年5月のフーヴァーレポートでも詳しく取り上げましたが、ヒラリー候補者には大きく3つの問題があります。

一つは私的メールの問題です。これは、ヒラリー陣営を窮地に追い込んでいる最大の問題と言えるでしょう。ヒラリー氏は国務長官時代、個人のプライベート・メールを利用して仕事をしていました。国務省の調べによると、その数は約3万通。うち、22通はトップシークレットで極秘指定でした。

ヒラリー氏は事実関係を否定していますが、この極秘は単なる「シークレット」ではない。いわゆる「ウルトラ・シークレット」(超極秘)に分類されるものであり、この調査と対応にはFBIが100人体制で取り組んでいます。

超極秘には、米国の諜報員たちの名前が記されています。ハッキングされれば、情報は漏れ、スパイたちは任地で殺されるでしょう。救い出すのはCIAですが、もう遅いかもしれない。ヒラリー候補者は非常に重大な問題を引き起こしたわけです。


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在外公館襲撃事件


二つ目はリビア事件とその対応です。2012年9月、リビアにある米国在外公館が襲撃され、大使を含む4名が殺害されるという事件がありました。

殺害された4名は軍の特別機で帰国しました。棺には星条旗がかけられていました。迎えた4名の親たちの気持ちを思うと、胸が張り裂けるほどです。そんな親たちに、ヒラリー氏は襲撃事件の理由を「ロサンゼルスで作成された、イスラム教を馬鹿にした映画にある」と話しました。

しかし、このときヒラリー氏はすでに、それが本当の原因でないことを知っていたのです。事件とほぼ同時に、彼女はエジプトのムバラク大統領(2012年9月当時)に連絡し、当該事件は「計画されたテロである」と伝えています。

ヒラリー氏は、4名の棺と親たちに対して嘘をついたのです。この事実をフォックスニュースが特ダネとして放送。命を落とした4名の親たちは狂乱状態で怒っていました。多くの米国人たちも激怒しました。


敵国からの支援金


最後にクリントン財団の巨額寄付をめぐる問題です。元大統領のビル・クリントン氏は1997年、クリントン財団を設立します。この財団ですが、15年ほどの間で、日本円にして2,000億円を集めました。ものすごい金額です。

しかしそのお金の出処が中東諸国であることがわかりました。中東とアメリカは当時、対立状態です。実際の戦火も交えています。敵国・対立国からお金をもらっていることがわかったわけです。

ヒラリー氏はオバマ政権(第一期)時代の国務長官、つまり日本でいう外務大臣だったわけです(在職期間は2009年〜2013年)。この間、ヒラリー氏は一体何をしていたのか。財団と中東諸国との疑惑が明るみになるにつれて、彼女への信用は失墜しました。


西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年2月上旬号「大統領選挙と人種差別」−3