軍政局の苛立ち


CIEと民政局が自分たちの緊急要請を無視していると判断した第8軍の将軍チャールズ・W・ライダーは、マッカーサーに警告書を送った。

この1948年9月11日付のライダーの手紙は、サターホワイト中佐のCIEに宛てた手紙と同じものであった。

マッカーサーは、ライダーの手紙をニュージェントに回した。

同21日、ニュージェントは返書の案をマッカーサーに見せ、マッカーサーは翌日、その返書を出すことを承認した。

「教育委員会法をGHQの指令によって無効にしたり、修正するのは、得策とは思えない」とマッカーサーはライダーに返答した。


世論の反応


第8軍の懸念は、また悲観的な報告で裏付けられる。

今度は、CIE調査・分析部ハーバート・パッシン(占領後、コロンビア大学の社会学教授、知日派として高名)がオアに、きたるべき教育委員選挙に関する世論調査結果を報告した。1948年9月初旬、東京地区744人を対象に行なった世論調査だった。

質問「教育委員選挙が間もなく行なわれることを知っていますか?」

回答者の62パーセントは「知っている」、32パーセントは「知らない」、6パーセントは「何となく知っている」と答えた。

「知っている」と答えた者の大多数(82パーセント)は、新聞とラジオで知った。

質問「教育委員会の仕事が何か知っていますか?」

回答者の53パーセントは「知らない」、29パーセントは「少し知っている」で、「よく知っている」という回答は12パーセントに過ぎなかった。


候補者の理想像


候補者として立ってほしい人物についての回答は、一般市民(54パーセント)、日教組の組合員(50パーセント)、PTA会員(50パーセント)。

共産党員は最も好ましくない(75パーセント)という回答だった。

共産党候補に対する驚くべき不人気が判明したにも拘らず、1948年9月9日、共産主義者を天敵と思っている参院文教委員長の田中耕太郎(元文相)は、オア教育部長を訪れて、

「共産党は日教組が選挙に勝ち、全国の教育委員の50パーセントは日教組組合員が占めることを望んでおり、日本の教育界を共産党で支配することを企んでいる」

と警告した。

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