堀江の反論


スターリング大佐
「お前たちは、教育委員会が一カ月、30日間も仕事をすると考えているのか」

堀江邑一(共産党、日本民主主義文化連盟常任委員)
「部隊長閣下は多少、思い違いをしておられるようです。私たちは、愛国心から教育委員会のために尽くそうと決心したのであり、金儲けをしようとしているのではありません。私は共産主義者で、共産党を代表して都教育委員に選ばれました。しかし、今日は共産主義者として話をしているのではありません。月給が必要な理由は、金儲けのためではなく、もし月給が支払われなければ、将来、適任者でも、貧乏だと教育委員に立候補できなくなるからであります」

(2年9カ月後、堀江はレッドパージに引っ掛かり、共産党幹部として逮捕され、教育委員会からも追放された)

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委員会潰し


スターリング大佐
「誰も教育委員会の地位をその主要な義務と考えなくてもよい」

松沢一鶴(都水泳協会会長、最多票で当選)
「私たちは、教育委員会を主要な収入源にするつもりはありません。私たちが望むのは、生活を安定させるに足るだけの月給が欲しいということだけです」

デュペル大尉
「都教育委員会はもう既に間違った方へ足を踏みだしてしまっておる。お前たちは〝日本では違うんだ〟と言いわけして、前にも、専門家たちの作った勧告にも従おうとはしなかった。一般労働者が自由に会合ができる夜に、どうして委員会の会合をしないのか。アメリカでは会合は夜、開かれるのだ」

山崎
「私は、ただ率直に私の意見と私たちの立場を述べているのです」

スターリング大佐
「お前たちを叱るためにここに集まってもらったのではない。都議会が教育委員月給支払いを否認しても、気を落とすなよ」



月給支払が問うこと


堀江
「将来、適任者が教育委員になれなくなるのが心配です。それでは民主的ではありません」

スターリング大佐
「どうもお前たちは、私の説明していることが分からないようだな。つまり、誰でも生計のために他の仕事ができるのだ」

松沢
「その通りだと思います。ただ、現在の日本の経済状態では、正直者はまじめに働いても十分に稼げませんから、教育委員会の任務を良心的に果たさせるためには、委員の給料をほんの少し補う程度の月給が必要なのです」

スターリング大佐
「もし、お前たちが自分たちに月給を与えると、東京都が前例を作ることになり、ひいては国庫に厖大な負担を及ぼすことになる。そうなると、日本の経済復興も遅れるであろう」(アメリカ生資料から、西が翻訳した)

この会合の模様は、ニュージェントに報告された。