トランプ陣営の勝因は何だったのか


2016年11月8日に行われた大統領選挙にて、トランプ候補者が圧倒的な勝利をおさめました。幾つかの州では負けましたが、ほとんどの州にてトランプ陣営の圧勝です。国民の半数以上が大歓迎です。

勝因はどこにあったのか。ヒラリー候補者の政治家としての資質に問題があったことは確かですが、それだけではありません。歴史的勝利をもたらした第一の理由は、トランプ候補が、エリートから見放された人々からの絶大な支持を得たことです。

エリートとは、アメリカの永田町、すなわちワシントンD.C.に巣食う高級官僚や大物政治家たちとその取り巻きです。彼らに見放された人々とは、中産階級以下の人々や労働者たちです。


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国内では7万社が倒産


オバマ政権の8年間で、アメリカの中産階級は激減し、貧しい人々がワサっと増えた。地方都市に活気はなくなり、市町村の街並みも荒廃。アメリカの「ものづくり」を支えた多くの中小企業が事実上の倒産です。その数は7万社にのぼると言われています。当然ながら、その関連工場も全て閉鎖です。

「ものづくり」が成立しないアメリカの悲劇を、私は空港で体験しました。珍しい大雨の日でした。ある空港に降り立った私はそこで雨漏れを見つけました。途上国の空港ではありません。アメリカ有数の都市にある空港です。

これが今(2016年)のアメリカの本当の姿です。日本のマスコミはどこも報道しない。


エリートへの反感


アメリカの惨状を、ワシントンD.C.を牛耳る政治エリートたちはどう捉えていたのか。おそらく誰も見ていないし、知らないのかもしれない。彼らは相変わらず、「グローバル化」「国際化」「民主主義」「人権」「自由」といった美辞麗句を並べ、高尚な政治を演出しました。煌びやかな世界です。そして都合の良い時だけ、国民に優しく呼びかけました。選挙の時などは、態度がガラッと変わりました。

しかし国民はバカじゃない。「俺たちは、選挙のためにだけかり出されて、選挙の後はゴミのように捨てられる」と、認識しています。政治エリートたちに対する反感は、この20年、30年の間に積もり積もってきた状態でした。この不満を代弁したのが、まさにトランプ候補だったわけです。


西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年11月上旬号「大統領選挙速報」− 1