情報戦


マスコミは選挙の行方を握る非常に重要なファクターです。今回の選挙戦(2016年)では、米国でも、日本でも、私が知る多くの国々でトランプ包囲網が形成されたように思います。テレビをつけると、トランプ候補者へのバッシング報道ばかりでした。これに対してトランプ陣営は、CNNを「クリントン・ニュース・ネットワーク」と呼んで応酬したり、大手新聞社を批判したりしました。

トランプ・バッシングをしなかったのはFOXニュースだけです。FOXニュースは、この10年ほどの間、全米視聴率ナンバー1です。人気も非常に高い。CNNや他のニュース・ネットワークを聞いた後にFOXニュースを見ると、FOXニュースがトランプ候補者を応援しているように感じます。バッシングしていないだけでそう感じるのですから、どれだけのマスコミがトランプ候補を非難したか想像できるでしょう。


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政治献金


トランプ氏を叩き、ヒラリー氏を称賛する報道が多かったのはなぜか。それはマスコミの怠慢、迎合主義、エリートへの諂い、などから説明できると思います。

例えば、全米の新聞記者やテレビ関係者たちのほとんどが、ヒラリー氏に対して政治献金をしています。その数は業界全体の9割以上と言う人もおられます。献金した人たちの多くが、「どうせヒラリーが勝つのだから、どれだけトランプを叩いても大丈夫」という感覚でいたのでしょう。選挙後の様子を見ていますと、ヒラリーが勝つと信じ込んでいたCNNやABC、NBCなどのいろいろな局の人たちやコメンテーターたちは脱力状態で、唖然としていました。

世界的に有名な『ニューヨーク・タイムズ』紙もトランプ叩きに血煙を上げておりました。トランプが圧勝しましたので、これから購読率がドッと下がるでしょう。私も同紙を信用しなくなりました。


コピペ報道


日本での選挙戦報道は米国のものとほとんど同じでした。いや、「ほとんど」なんて生温いかもしれない。学生がしたら一発落第の「コピペ」報道です。私も時々、日本の新聞を読んでいますが、「おい、日本の新聞社さん、なぜこんなニュースを流しているのか」と思っていました。「質」の問題以前に、米国の有名紙、報道内容の丸写しです。

日本には血の通った記者はいないのか。報道局はないのか。とても残念な気持ちになりました。なぜ自分の目と耳で感じ取ったことを伝えないのだろうか。

アメリカに住んでいるとすぐに分かりますが、選挙戦の中で、ヒラリー候補者が優勢だと感じる事はほとんどありませんでした。トランプ候補者の人気と比べたら、天と地の差ほどあります。肌感覚ですぐわかります。



西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年11月上旬号「大統領選挙速報」− 3