量をこなすことの重要性


私自身も英語には相当苦労しました。その経験から言うと、英語学習に必要なことはとにかく「量」をこなすということです。

例えば、英語を聞く時間を増やすことです。テレビをつけたら、CNNかBBCのニュースを聞きなさい。ニュースの内容は学ばなくて良い。英語の音を、それがピアノなのか、バイオリンなのかが分かるぐらい聞きなさい。もちろん最初はわからないでしょう。しかし、1日にせめて2時間は聞き、これを1ヶ月続ける。

映画も良いですが、字幕があると字幕を読んでしまいます。字幕を読んでいると、英語は聞けていませんから、字幕を消すなどの工夫が必要です。字幕を消して映画を見ると、どれだけ英語を知らないかが分かります。それが英会話のレベルなのです。


丸暗記


英単語の丸暗記も大切です。私の学生には、私が1982年にスタンフォード大学フーヴァー研究所から出版した本、Unconditional Democracy: Education and Politics in Occupied Japan, 1945-1952を教科書として使い、分からない単語があれば全て調べるという授業を行いました。

学生たちは大変です。毎週テストがありました。単語の学習にこそ、実は経験豊富な教師が必要です。大変なので自習では怠けます。名コーチがいないとサボります。

テストが出来ない学生には容赦無く単位は出しません。日本では成績が悪くとも卒業出来ます。それが良くない。


辞書の丸暗記に挑めるか


フーヴァー研究所には、時々、日本人の大学院生がビジネススクールなどに来て、私のところに遊びにやってきます。そのときに決まってよく聞かれるのは、英語の勉強の仕方です。それで私はいつも3,000ページぐらいの辞書を指しながら、あれの10ページぐらいは丸暗記しましょう、と言います。そうすると、ほとんどの人が笑います。「冗談はよして下さいよ」という感じです。冗談だと思った人の英語のレベルは、ここで終了です。


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大学院時代、私が指導教官からイエローカードを2回もらっても、何とか生き延びたのは、音を聞いて、音が分かった時に、その音と私の頭の中の英単語が結びついたからです。会話より、単語を必死で覚えた結果です。

私は大学生の頃、英会話は全く出来ませんでしたが、ヘミングウェイは辞書を使わずに読むことが出来ました。テレビもPCも、スマホもない時代の日本の教育には、今学ぶべきことがたくさん詰まっています。

真に英語が必要だと思うのなら、単語を知ることが大切です。



西鋭夫のフーヴァーレポート

2015年10月下旬号「日本人の英語力」− 4