深刻化する日本の貧困


『下流老人』という書籍がベストセラーになるほど、多くの日本人が日本経済と老後の生活に危機感を抱いております。「下流老人」とは、恐ろしい言葉です。お金がなく、生活に困ってしまう高齢者のことを言っているのですから。生活に困るだけでなく、身寄りのない方もいらっしゃいます。

しかし皆さん、「老人」については、少し目線を変える必要もあるかと思います。例えば、日本の退職年齢は少し前まで60歳で、今は65歳になっているところがほとんどだと思いますが、まだまだ現役で働ける人たちがたくさんいる。

保育施設などで保育士が足りていないなどと聞きますが、ここにお祖父ちゃん、お祖母ちゃんたちを投入するのはどうか。酸いも甘いも知り尽くした人生の達人です。子育てにおいて見習うことは多いのではないか。俗に言う「おじいちゃん子」「おばあちゃん子」に、すれた子はいません。


子供の貧困


厚生労働省が2014年にまとめた調査によると、日本人の子供の約6人に1人が貧困層にあることがわかりました。これも酷い話です。少子高齢化を問題だと声高に叫びながら、子育て世代を応援する気はないのか。

保育施設など余るほど作り、まだまだ働けるお祖父ちゃん・お祖母ちゃんたちに頑張って頂きながら、国をあげて子育てしたらどうでしょう。子供がたくさんいる家庭は大幅に減税していくのも良いと思います。保育士さんたちの給料も低すぎでしょう。なぜこんなにも大切な仕事に関わる人たちが、生活で困るほどの賃金しか得ていないのか。

このまま何もしないと、6人に1人ではなく、6人に2人、つまりは3人に1人が貧困という社会になっていくでしょう。そんな社会では、お金持ちの子だけが良い教育を受け、良い医療をうけることができる。格差はますます拡大する。


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OECD諸国の中でも最低ライン


日本は裕福な国と思われていますが、現状は全く異なるわけです。OECD諸国の相対的貧困率を比較すると、アメリカに次いで貧困が進む国は日本です。

ここには様々な要因があるでしょう。断定などはもちろんできませんが、このままであればアメリカと同じパターンで進むことは間違いない。アメリカの中流階級がこの10年、20年でワサっと消えたように、日本でも中流階級は急激に減少していくでしょう。

お金持ちは、今度は自分たちの権益や利益を守ろうとします。政府に近い人たちや大手企業、産業界は、金持ちからお金をとる政策に猛反発するでしょう。逆に貧しい人々は、お金持ちたちに多くの税金をかけようとするでしょう。日本全体が、現在の米国のように二分化することも近いのではないか。




西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年1月上旬号「アメリカの貧困」− 8