イランの影


核開発やミサイル実験には莫大なお金がかかります。経済的に厳しい北朝鮮はそのための資金をどこから調達したのでしょう。中国ももちろん大きな後ろ盾となっていますが、忘れてはならないのがイランの存在です。

最近、イランとアメリカが急接近し、経済制裁を解除しました。世界中の人々が核軍縮に向けた第一歩と評価しましたが、この見方は物事の一面しか捉えておりません。制裁を解除されたイランは、そのお金を中東のテロリストへ、そしてまた北朝鮮への支援に向けております。

米政府の高官らはもちろんこのことを知っています。しかし、この事実はほとんど一般に知らされていない。米国民がこのことを知ったら皆さん怒るでしょうから、あえて明確に言わないのです。


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北朝鮮が暴走する日


米国は結局のところ、北朝鮮のことをあまり刺激したくないのでしょう。なぜか。

一つは、下手に手を出すと、暴走する可能性があるからです。暴走した北朝鮮は、米国に対しては攻撃を仕掛けませんが、国境を接する韓国、そして日本に対しては攻撃するでしょう。万が一の場合は、原爆を使うかもしれない。そうなると韓国や日本に駐留している多くの米兵と、その家族が被害を受けます。

日本をコントロールするため、という理由もあります。北朝鮮で何かが起こると、日本は米国に泣きつきます。なんでも言うことを聞く。北朝鮮問題が仮に存在しなくなれば、日本は米国の言うことを聞くとは限らない。脅威がないのだから、米国に頼らない外交政策を展開するかもしれない。


日本の手綱


米国は以前、日本にとっての番犬などと呼ばれていた時代もありましたが、それは誤解です。正しくは米国が主人で、日本が番犬です。主人としての米国は常に日本の手綱を握っている。

この構造はGHQによる占領時代から一つも変わっておりません。その占領政策は今もなお生き続けています。日本を上手く使うために、北朝鮮を生かしておく。それがアメリカの対北東アジア政策のポイントであると言えるでしょう。



西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年1月下旬号「北朝鮮の情勢」− 5