blog207.jpgFrom: 岡崎 匡史
研究室より

日本人の身長は、どのように変化してきたのか?
日本人の背は伸びているのか?

2015(平成27)年度の「学校保健統計調査」によると、17歳男子の平均身長は170.7センチ。17歳女子は、157.9センチ。

記録をさかのぼること占領下の1948(昭和23)年、17歳男子は160.6センチ。17歳女子は152.1センチ。

もっとさかのぼること1907(明治40)年、17歳男子は158.8センチ。17歳女子は148.5センチ。

男女ともに100年前と比べると、約10センチほど日本人の身長は伸びている。

吉田茂


日本人の身長が伸び出したのは、戦後になってから。とくに、GHQの占領政策と栄養学の発展が背景にある。

日清・日露戦争と連戦連勝の日本帝国は、第二次世界対戦で惨敗。日本人は欧米人と比べると、身長が低いことに劣等感を抱いた。

その典型は、戦後日本政治に大きな足跡を残した吉田茂首相(1878〜1967)。吉田首相の身長は、155センチメートル。

米国占領下、学校給食を推進していたGHQのクロフォード・サムス准将は、背の低い吉田首相の弱点を掴み、「パイロット計画」の実施を働きかける。

パイロット計画


サムス准将の構想した「パイロット計画」とは、東京と横浜の25万人の児童を一つのグループとして脱脂粉乳を与え、タンパク質を補給する。そして、児童の成長を他の地域と比較して成果が出るのか確かめることであった。

GHQの学校給食プログラムは、バランスのとれた食事を児童に提供すること。日本人の栄養不足を補うために、GHQは「脱脂粉乳」に目を付けていた。

サムス准将は吉田首相に、「賭けましょう。粉ミルクで、1年後には1インチ(2.54センチメートル)か、少なくともあと少し伸びますよ」とけしかけた。

吉田首相はこの賭に乗る。

1年後、サムス准将の予想通り脱脂粉乳を飲んだ児童たちは、1インチから1インチ半ほど身長が伸びた。吉田首相もこの結果に大喜び。吉田首相は、学校給食の推進者となった。


ー岡崎 匡史

PS. 以下の文献を参考にしました。
・政府統計の総合窓口「学校保健統計調査 年次統計」([https://www.e-stat.go.jp/])
・クロフォード・F・サムス「ハリー・レイ オーラル・ヒストリー・シリーズ(4)クロフォード・F・サムス」『戦後教育史研究』2000年
・クロフォード・F・サムス『GHQサムス准将の改革』(桐書房、2007年)
・二至村菁『日本人の生命を守った男』(講談社、2002年)