水と文明


私たちが知っている文明文化は、水のあるところから、すなわち大河の周りで発祥しました。世界の四大文明も大きな川の流域で発生しています。

メソポタミア文明はチグリス川とユーフラテス川に挟まれた地域で、エジプト文明はナイル川に沿った地域で生まれました。インダス文明もインダス川に沿って、中華文明は黄河と長江を中心として生まれました。


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黄河はイエロー・リバーと呼ばれます。上流の黄色っぽい土壌が、長い年月をかけて川で運ばれてきて、時に大洪水などを起こしながら、広大な流域に肥沃な土砂が溜まっていきました。その上で農業をやるわけです。作物はグングンと育ちました。

黄河のもっと北へ行くと、ゴビ砂漠があります。水がないゴビ砂漠では文明は発達しませんでした。ここに水があったら、中国は世界最大の農業国となっていたでしょう。


神道と水


日本においても水はとても大切です。例えば、日本に昔からある神道は、水と切り離して考えることができません。神道では「禊」という言葉を使います。これは、水で体を清めること、水で諸々のことを清めることを表します。神道とは、水が豊富にある国の宗教であり、人の生き方と言えます。

「水」という観点から世界を見ると、日本は世界一の水大国です。どこにでもきれいで、飲むことのできる水があります。水で困ったことがない民族がいるとすれば、それは日本人のことでしょう。


衝突


水は、生命の源であり、人の生き方に直結するものです。しかし、ブルー・プラネットと呼ばれる地球全体で考えると、ほとんどが海水で、淡水は非常に少ない。

人口が少なければ少ない淡水でも問題は起きませんでした。ところが、人口が増えるとどうなるのか。己の生存をかけて、水の豊富なところに襲撃するわけです。争い、紛争、戦争が引き起こされました。

21世紀のいま、人口はますます増え続けています。そんな中、限られた水をめぐっての世界規模での戦いがすでに始まっております。水面下ではかなり進展していますが、幸いなことに武器はまだ使われていません。しかしこれも時間の問題かもしれません。




西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年2月下旬号「水戦争」− 1