blog220.jpgFrom: 岡崎 匡史
研究室より

「オレオレ詐欺」「振り込み詐欺」は、いまだに横行している。

さて、GHQと詐欺事件と聞いて思い浮かぶのは「M資金」である。

「M資金」は日本の戦後経済復興に秘密裏に使われたとも云われてきたが、「M資金詐欺」は、周期的なサイクルがあるかのように発生している。騙される人が続出した。

「M資金」の由来には諸説ある。GHQ経済科学局のウィリアム・マーカット少将(William F. Marquat・1894年3月17日〜1960年5月29日)の頭文字Mに由来している。

マッカート少将は、マッカーサー元帥の側近「バターン・ボーイズ」の一人として、占領下の日本でGHQ経済科学局長を務めた。経済科学局は、日本の金融、財政、産業、貿易などの管理をしていた部署である。

隠し財産


経済科学局は、日本軍の隠し財産(ダイヤモンド・金・武器)も管理していた。

太平洋戦争が行き詰まり、資源を欲した日本軍は、日本国民に貴重品の提供を呼びかける。国民の間に出回っているダイヤモンドを回収し、工業ダイヤの代用品にするためだ。しかし、軍が集めたダイヤモンドは、ほとんど使われず日銀の地下金庫に保管された。

国民が放出したダイヤは、指輪やブローチ。残念なことに、研磨・切削用の工業用ダイヤとは硬度が異なっていた。航空機などの材料にできなかったので、ほとんど死蔵された。最悪なことに、日銀の金庫に保管されていたダイヤモンドは、敗戦後、GHQに押収されてしまう。

実際のところ、日本人のなかで日銀に保管されていたダイヤモンドを間近で見た人物はいたのか?

ダイヤモンド鑑定人


ダイヤモンドを実際に見たと証言する者がいる。それが、ダイヤモンド鑑定人の松井英一(1894年生まれ)。

GHQ指示の下、松井は日銀の地下金庫に眠っていたダイヤモンドの鑑定を行う。1946(昭和21)年5月から10月にかけて、松井を含めて4名の日本人が値踏みした。


鑑定の方法は5段階で、色彩と品質をそれぞれABCDEと格付け。日銀の金庫には、全部で25〜26万カラット(1カラット=0.2グラム)もの膨大な量があった。松井の証言によると、皇室の王冠も収められていたという。

問題は、ここからだ。宝石鑑定が終わると、日銀の地下に保管されていたダイヤモンドが紛失する。約25万カラットあったダイヤが、16万カラットに減っていた、、、

ここから、GHQの秘密資金という伝説が生み出されていく。


ー岡崎 匡史

PS. 以下の文献を参考にしました。
・松井英一『宝石貴金属の選び方買い方』(実業之日本社、1960年)