不公平な世界


世界は残酷なまでに不公平に満ちています。飢餓に苦しむ人もいれば、栄養を取り過ぎて肥満に悩む人もおります。我々は食糧格差社会に生きていると言えます。全世界の約10億人が食糧不足に陥っており、満足な食事ができず、慢性的な飢餓状態にあります。

食糧格差の根本的な原因とは何か。これは非常に重要な問いかけですが、答えるのも難しい。しかし、干ばつなどが起こる/起きやすい地域というのは大体わかっている状況なので、その経験などをまずはじっくりと検証すべきであると考えます。


カリフォルニアの経験


例えば、アメリカでも昔、カリフォルニアで4年間、雨が降らないことがありました。そのため、カリフォルニアで有名だったオレンジやアーモンド、アボカドといった作物の木が枯れていきました。農場のおじさんたちは、その木をチェーンソーで切り倒しておりました。

飲み水で使っていた巨大なダムも底が見えていました。100年に1度あるかどうかの干ばつと言って皆さん混乱しておりました。

ロサンゼルスでは、家の前の裏の芝生が青々としていたら逮捕されたほどです。理由は水を使ったからです。アメリカでさえ、そういうことが平気で起こった。


大干ばつ


アフリカや中国、インドでも雨が降らないときあります。これが怖い。これらの地域、国で大規模な干ばつが起きたら、飢餓に追い込まれる人は1億じゃすまないでしょう。10億、20億レベルで飢餓の縁に追い込まれると思います。

例えばインドは経済的にも非常に良くなってきました。しかし問題はインフラです。食糧の生産性が上がっているのにインフラが追いついていない。トマトが仮に100生産できたとすると、消費者の手元に届くのは30%ぐらいだろうと言われております。あとの70%はどこにも運ぶことができず、そこで腐るようです。


18h6.jpg


これらは遠く離れた国のこと、と思ってはいけない。インドの例は多くの発展途上国でも起こりうることです。大規模な飢餓が起きた時、国内でも食糧調達がままならないのに、どうして海外向けの食糧輸出ができるのか。そう考えると、
食糧の多くを海外に依存している日本は立ち行かなくなるでしょう。ある品物が今100円だとして、今後それが500円になったり、1000円になったりしたとき、日本人はどこまで耐えることができるのか。



西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年6月上旬号「人口爆発」-6