食品パッケージ


日本人は危ないものを相当食べさせられてきました。昔はパッケージの裏を見ても、中に何が入っているか書いていなかったのです。これが書かれるようになってまだ15年か20年ぐらいではないでしょうか。実はごく最近のことなのです。

今では、肉や魚が何処で獲れたものなのか、飼育されたものなのか。調理されているものであれば、調味料などについても詳しく書いてあります。

これは自然に実現されたのではありません。人々が自分たちの「知る権利」を行使して、積極的に行動してきた結果です。


家畜の餌


現在の日本で遺伝子組み換えの作物商業栽培は法的に認められておりません。その一方で、大豆、ジャガイモ、菜種、トウモロコシなど8作物、290の品種については輸入と流通が認められています。

制限されているとはいえ、日本の家畜に与えられている飼料には輸入された遺伝子組み換え大豆やトウモロコシが含まれております。肉や牛乳、卵などの畜産物になると遺伝子組み換えの表示義務はありません。このことはほとんど知られていません。言い方を変えると、豚さんや牛さん、鳥さんが食べて、体の中に蓄積してきた遺伝子組み換え作物を、私たちはさまざまな食品、料理として、食べていくわけです。

その安全性についてですが、実はまだよくわかっていません。科学的な証拠を得ることができないのです。そうした研究があるのかどうかもわかりません。しかし、あったとしても、ごくごく微量でしょうから、検証が極めて難しいものと思われます。


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食物連鎖


自然界はいつどのように変わっていくのか。その変化は本当に少しずつ、非常に長い年月をかけて進みます。それは1万年から1億、10億年の世界です。人間の生活が今のような形になってきたのはせいぜい200年から300年ぐらいでしょう。遡っても1000年、2000年ほどの歴史でしょう。

遺伝子組み換えは実験室の中で、一瞬で生まれます。自然界に全く存在しないものです。このことが自然に、動植物に、そして私たち人間にどのような影響を与えていくのか。それはまだ誰にも分かっていないことだと思います。

しかし私たちは、生態系が壊れた時に、食物連鎖の影響でもって何が起こるのかを、公害という悲惨な歴史を通して知っております。遺伝子組み換え食品については、一部のみしか表示されていませんし、制限されていません。家畜に入ったものは分かりません。私たちは改めて「知る権利」について学び直し、今何が必要か、できるのか考えていく必要があるのではないでしょうか。




西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年9月下旬号「アメリカの食文化支配」-3