水面下でのつながり


中国が北朝鮮の核実験に対して、断固反対すると声明を出しました。しかし、中国の習近平政権と、北朝鮮の金正恩政権の関係は冷え込んでいるのではなく、水面下でつながっています。

中国は、北朝鮮がミサイルを打つと「打つな」と言っているくらいで、明日にはもう忘れています。中国から見ると、北朝鮮ほど重要な外交の駒はありません。中国にとって何か都合の悪いことが日本海近辺で起こると、中国は必ず北朝鮮を使って、「お前、ミサイルをもう一発打ちなさい」と指示する。そのおかげで、中国の対日外交はどれだけ楽か。

中国と北朝鮮が最近、冷え込んでいるとか、喧嘩しているというのは、うわべだけの政治的ジェスチャーでしょう。信じてはいけません。あの両国ほど緊密な関係はありません。


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利害関係


北朝鮮には中国が必要であり、中国もまた北朝鮮を必要としています。それはいわば唇歯の関係とも言えます。中国は北朝鮮に多くの食糧援助、技術援助を行っておりますが、中国からすれば、北朝鮮から大量の難民が川を渡って中国にやってくることは避けたい。そのため飢えない程度に援助を行なっていくわけです。

独裁政権というものは普通、長続きしないものです。しかし北朝鮮の場合は金日成、金正日、金正恩と3代、続いております。これには当然、何らかの理由があると考えて良い。

そこには中国だけでなく、アメリカの意図もあります。中国もアメリカも「干渉地帯として北朝鮮に存在してほしい」と考えている。この地政学的要因によって、北朝鮮の崩壊シナリオは低いと言えるでしょう。


アメリカの対北イメージ


私たちは長い間、北朝鮮を見下して見るよう教育されてきました。アメリカは中でもひどい。2015年頃まで、金政権を馬鹿にした映画やアニメを作り、同国を狂人の集団のようなイメージで描いておりました。

しかし、北朝鮮が長距離ミサイルを打てるようになると、態度が変わってきました。北朝鮮を人種的に馬鹿している人が減ってきました。アメリカの対北イメージも変わってきているように思います。

核の力はそれだけ大きいということでしょう。




西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年10月上旬号「北朝鮮の恐喝外交」-2